英会話を1社だけでやっていると、どこかで「これだけだと足りない」という感覚が出てくる。
通学だけだと回数が足りず、オンラインだけだと自分の癖が直らない、という形で出ることが多い。
そこで出てくるのが、通学とオンラインを両方契約して回すという選択肢だ。
ただしこれは、単純に2社ぶんの料金を払えば2倍になるという話ではない。
この記事では、英語サービスを長く見てきた立場で、通学1社とオンライン1社を同時に回すときの、役割の分け方・週あたりの配分・費用の足し方・やめどきの判定を出す。
どちらか片方を選ぶ話ではなく、両方を同時に持つときの設計だけを扱う。
この記事の内容は2026-09-16時点の一般的な運用にもとづく。レッスンの形式・振替やキャンセルの規定・料金体系はスクールごとに異なるため、最終的な条件は各社の公式サイトと契約書面でご確認ください。

【この記事を書いた人:高正熊生】オンライン英会話の受講&取材経験は合計50社以上・TOEIC920・英検準一級・VERSANT50・留学(大学/語学/ワーホリ)・外資系/海外勤務経験あり・海外在住歴12年・シャドテンアンバサダー(シャドーイング歴1年以上)X(旧Twitter)・YouTube・note
【結論】英会話の2社併用は「役割を分けたときだけ成立する」
先に結論を書く。
2社併用が機能するのは、通学を「直してもらう場」、オンラインを「量をこなす場」と役割で分けたときだけである。
逆に、同じことを2か所でやる形にすると、費用が2倍になって成果は1.2倍程度にしかならない。時間も予習も二重になるからだ。
つまり判断の軸は「2社ぶんの料金を払えるか」ではない。
「2社に別々の仕事をさせられるか」のほうだ。
| 組み合わせ | 成立するか | 理由 |
|---|---|---|
| 通学1社+オンライン1社 | 成立しやすい | 役割が自然に分かれる |
| オンライン2社 | 条件つき | 目的が違えば成立する |
| 通学2社 | 成立しにくい | 移動と予習が二重になる |
| 通学1社+オンライン2社 | 上級者向け | 管理する対象が3つになる |
この記事で扱うのは、いちばん成立しやすい「通学1社+オンライン1社」の形だ。
この組み合わせが強いのは、値段の高い側に高い仕事を、安い側に量を任せられるからである。
片方だけを選ぶ場合の比較はオンライン英会話の選び方のほうで扱っている。
英会話の2社併用は通学とオンラインで仕事を分ける
役割を分けるといっても、感覚で分けるとすぐ曖昧になる。
だから、レッスンで起きることを4つに割って、どちらが担当するかを先に決めてしまう。
| レッスンで起きること | 担当 | 理由 |
|---|---|---|
| 発音や文法の癖を指摘してもらう | 通学 | 同じ講師が継続して見るため癖が見える |
| 長い説明をしてみる・詰まる経験をする | 通学 | 時間をかけた対話を設計しやすい |
| 同じ表現を何度も口に出す | オンライン | 回数を確保しやすい |
| 話す習慣を切らさない | オンライン | 予約の自由度が高い |
この4行を紙に書いて見えるところに置くだけで、併用はかなり安定する。
通学側は「直される場所」、オンライン側は「使う場所」と言い切ってしまっていい。
この線引きがあると、オンライン側で細かく直してもらえなくても不満にならない。
そこはオンラインの仕事ではないと最初に決めてあるからだ。
直された内容をオンライン側に持ち込む
2社併用がいちばん効くのは、通学で指摘された点をオンラインで練習するときだ。
指摘は受けただけでは直らず、使った回数だけ直っていく。
通学で1つ指摘をもらい、その週のオンラインで意識して使い倒す。これが併用の本体である。
この往復が無いと、2社はただ別々に動いている2つの契約でしかない。
英会話の2社併用で週あたりの発話回数をどう足すか
次に、週の配分を決める。
ここで重要なのは、回数を足すときに「レッスン時間」ではなく「自分が話している時間」で足すことだ。
グループレッスン50分と、マンツーマン25分では、自分の発話時間は後者のほうが長いこともある。
だから配分表は、レッスン数ではなく発話の分数で作る。
| 型 | 通学 | オンライン | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 軽い併用 | 週1回 | 週2回 | まず習慣を作りたい |
| 標準 | 週1回 | 週3〜4回 | 指摘を練習で潰したい |
| 詰める | 週2回 | 週5回以上 | 期限が決まっている |
| 維持 | 月2回 | 週2回 | 落とさないことが目的 |
この4型のうち、最初に選ぶべきは「軽い併用」だ。
いきなり「詰める」から入ると、2週間で予約が埋まらなくなる。
併用が崩れるのは意志の問題ではなく、最初の設定が重すぎることがほとんどだ。
週の総量が現実的かどうかの目安は英会話スクールに通う頻度は週何回が現実的かに書いてある。
英会話の2社併用の費用を足す手順
費用の計算は、2社それぞれの総額を出してから足す。
月額だけを足すと、初期費用を2回払う事実が抜け落ちる。
併用で増えるのは月額だけではなく、入会金・教材費といった初期費用も2社ぶんになる。
以下の金額は、説明のためにこの記事が置いた仮の数字である。実際の料金はスクールごとに違うので、自分が検討している2社の数字に置き換えて使ってほしい。
仮に通学を月額30,000円(税込)・初期費用50,000円(税込)、オンラインを月額7,000円(税込)・初期費用0円(税込)とする。
| 期間 | 通学のみ(仮) | オンラインのみ(仮) | 2社併用(仮) |
|---|---|---|---|
| 3か月 | 140,000円 | 21,000円 | 161,000円 |
| 6か月 | 230,000円 | 42,000円 | 272,000円 |
| 12か月 | 410,000円 | 84,000円 | 494,000円 |
| 1か月あたり | 約34,000円 | 約7,000円 | 約41,000円 |
この仮の数字で見ると、併用にしても総額は通学のみの約2割増にとどまっている。
その2割で、週あたりの発話回数が2倍から3倍になる計算だ。
費用対効果の観点では、通学を減らして併用にするより、通学はそのままでオンラインを足すほうが割がいい。
ただしこれは、オンライン側を実際に使い切れた場合の話である。
使わなかった月のオンライン料金は、そのまま無駄になる。
料金の分解のしかたは英会話スクールの料金の見方で詳しく扱っている。
受けられなかった回数を単価に反映する
併用の費用を正しく見るには、支払った金額ではなく実際に受けた回数で割る。
月8回のプランで4回しか受けなければ、1回あたりの単価は2倍になっている。
併用で膨らむのは料金そのものではなく、受けきれなかった回数のほうだ。
だから毎月、2社それぞれの消化回数をメモしておく。
この記録が、3か月後の見直しでそのまま判断材料になる。
記録が無いと、見直しの日が来ても「なんとなく続ける」以外の結論が出せない。
英会話の2社併用が破綻する5つのパターン
併用はうまくいけば強いが、崩れ方にもはっきりした型がある。
先に知っておけば、ほとんどは避けられる。
①予習量が二重になる
これがいちばん多い崩れ方だ。
2社がそれぞれ別の教材を使い、それぞれ予習を求めてくると、レッスン以外の時間が倍になる。
併用するなら、予習が必要なのは片方だけという形にする。
もう片方は、予習ゼロで受けられる形式を選ぶ。
②振替やキャンセルの枠が消える
通学側は振替に期限がある場合が多く、オンライン側は当日のキャンセル規定がある場合が多い。
2社を同時に持つと、忙しい週にはどちらの枠も同時に危なくなる。
2社の振替とキャンセルの規定は、契約前に並べて読んで、締切の早いほうを基準に予定を組む。
規定の読み方は振替とキャンセルの規定にまとめてある。
③どちらも中途半端になる
役割を分けていないと、両方で同じような雑談をして終わる。
雑談自体は悪くないが、それなら2社である必要がない。
同じことを2か所でやっていると気づいたら、片方は解約していい。
④管理する情報が増えて疲れる
予約サイトが2つ、支払い日が2つ、教材が2セットになる。
この事務作業の負荷は、レッスンそのものの負荷とは別に積み上がる。
併用を始めるときは、2社ぶんの予定を1つのカレンダーにまとめてしまう。
⑤忙しい時期に両方止まる
繁忙期に入ると、まずオンラインの予約が飛び、次に通学の振替がたまる。
そして両方止まった状態が2週間続くと、そのまま戻らないことが多い。
忙しい月は、片方を最低限まで落として片方は必ず残すというルールを先に決めておく。
残すのはオンライン側にする。予約の自由度が高く、短い枠でも成立するからだ。通学側は休会や振替の制度で逃がす。
英会話の2社併用を始める前に決める4つのこと
契約する前に、紙に4行書く。
- 通学側にやってもらう仕事を1つに絞って書く
- オンライン側にやってもらう仕事を1つに絞って書く
- 週の回数の上限を決める(増やさない上限のほう)
- 見直す日を3か月後のカレンダーに入れる
4番目を忘れる人が多い。
見直す日を先に決めておかないと、機能していない併用が惰性で1年続く。
3か月あれば、噛み合っているかどうかは十分に判断できる。
入会前に何を聞いておくべきかは入会前の面談で聞く15の質問に一覧がある。
英会話の2社併用は通学とオンラインのどちらを先に始めるか
2社を同時に契約する必要はない。
むしろ、片方を1〜2か月回してから足すほうが失敗しにくい。
| 今の状態 | 先に始めるもの | 足すタイミング |
|---|---|---|
| まったくの初めて | オンライン | 話す習慣がついたら通学を足す |
| 自分の癖を直したい | 通学 | 指摘が出てきたらオンラインを足す |
| すでに通学中 | そのまま | 物足りなさを感じた月に足す |
| すでにオンライン中 | そのまま | 伸び止まりを感じた月に足す |
この表の共通点は、「足りない」と感じてから足すという順番だ。
最初から2社で始めると、どちらが効いているのか分からなくなる。
1社を回した期間があるからこそ、2社目の役割がはっきりする。
併用は「同時に始めるもの」ではなく「順番に足していくもの」として設計する。
英会話の2社併用のやめどきを判定する
併用をやめる判断も、感覚ではなく条件で決めておく。
3か月ごとの見直しで、次の項目を確認する。
| 確認する項目 | 問題なし | やめどきのサイン |
|---|---|---|
| オンラインの消化率 | 7割以上 | 半分を下回る月が2回続く |
| 通学の振替残 | ためていない | 期限切れが出ている |
| 指摘の往復 | 通学の指摘を練習している | 指摘を覚えていない |
| 予習の負荷 | 片方だけ | 両方から求められている |
| 1か月あたりの実質単価 | 納得できる | 受けられなかった分で上がっている |
この5項目のうち2つ以上が右側に入ったら、片方を止める。
止めるのは、消化できていない側ではなく「役割が薄いほう」である。
消化率が低い側でも、そこでしか得られないものがあるなら残す価値がある。
判断の基準は最初に決めた役割の2行に戻る。
止める側の手続きは英会話スクールの解約と返金を先に読んでおくと迷わない。
英会話の2社併用を止めずに軽くする方法
やめる前に、軽くするという選択肢もある。
2社とも全開で回す必要は、実はほとんどの時期において無い。
- オンライン側のプランを回数の少ないものに落とす
- 通学側を月2回のコースに切り替える
- 通学側の休会制度を使って一時的に止める
- オンライン側のレッスン時間を短いものに変える
- 忙しい月だけ、どちらかを最低限にする
この5つのうち、いちばん効くのは休会だ。
解約すると再入会で初期費用が再発生することがあるため、戻る気があるなら休会のほうが安く済む場合が多い。
ただし休会にも期間の上限や手数料が設定されていることがある。
条件はスクールによって違うので、契約書面と公式サイトで確認する。
制度の使い方は休会制度の使い方に整理してある。
英会話の2社併用のスケジュールは曜日で固定する
役割と回数が決まったら、次は曜日に落とす。
「週3回やる」という決め方は、実際には「空いた日にやる」と同じ意味になりやすい。
曜日を固定していない併用は、忙しい週に真っ先に消える。
ここで効くのが、通学の直後にオンラインを置くという並べ方だ。
| 曜日 | 入れるもの | その日にやること |
|---|---|---|
| 土曜 | 通学 | 指摘を1つだけメモに残す |
| 日曜 | オンライン | 前日の指摘を意識して話す |
| 火曜 | オンライン | 同じ指摘をもう一度使う |
| 木曜 | オンライン | 自由に話して定着を見る |
| 金曜 | なし | 翌日の通学に持っていく疑問をまとめる |
この並びの狙いは、通学でもらった指摘を忘れる前に使い切ることにある。
指摘は時間が空くほど輪郭がぼやけ、1週間たつと「何か言われた」という記憶だけが残る。
通学の翌日にオンラインを1回入れるだけで、併用の効き方は大きく変わる。
逆にやってはいけないのが、通学とオンラインを同じ日にまとめて入れることだ。1日の負荷が跳ね上がるうえ、指摘を練習に回す時間が生まれない。
週の総量が同じでも、並べ方だけで結果は変わる。
英会話の2社併用の成果は3つの指標で測る
併用を続けるか止めるかを決めるには、成果が測れる形になっている必要がある。
ところが「英語が上達したか」という聞き方では、たいてい答えが出ない。
測るのは上達そのものではなく、上達の手前にある3つの数字だ。
| 指標 | 測り方 | 改善しているサイン |
|---|---|---|
| 言い直しの回数 | 1回のレッスンで数える | 同じ話題で回数が減る |
| 詰まるまでの秒数 | 話し出してから止まるまで | 秒数が伸びる |
| 同じ指摘を受ける回数 | 通学でのメモを見返す | 指摘の内容が次の段階へ移る |
3つ目がいちばん分かりやすい。
毎回まったく同じことを指摘されているなら、オンライン側で練習できていないということだ。
指摘の内容が次の段階へ移っているなら、その併用は噛み合っている。
この3つは、レベル判定の結果とは別に自分で追える。
判定テストの読み方はレベル判定テストの読み方にまとめてある。
英会話の2社併用が向いていない人
併用が誰にでも合うわけではない。
次のどれかに当てはまるなら、1社に集中したほうが結果が出やすい。
- 今の1社すら月の半分も消化できていない
- 予定が読めず、固定の曜日を作れない
- 2社ぶんの支払いが生活を圧迫する
- 何を直したいのかがまだ言葉になっていない
- 教材や課題が増えると手が止まるタイプだと自覚がある
とくに4つ目が重い。
直したい対象が決まっていない段階で量を増やしても、増えるのは時間の消費だけになる。
その場合は、まず1社で数か月回して、自分の弱点を言葉にするところから始める。
弱点が言葉になった時点で、2社目の役割は自動的に決まる。
併用は、迷いを解決する手段ではなく、決まったことを速く進める手段である。
英会話の2社併用についてよくある質問
2社に併用していることを伝えるべきですか
伝えたほうが役に立つことが多い。
通学側に「オンラインで量はこなしている」と伝えると、レッスンの中身を矯正寄りに寄せてもらえる場合がある。
併用を隠すと、両方から同じ内容を出されて重複が起きる。
教材は2社ぶん買う必要がありますか
オンライン側は無料教材で進められるところもあるが、これはサービスによって違う。
必須教材があるかどうかは、契約前に確認しておく。
2社とも必須教材がある場合、併用のコストは料金表の数字より重くなる。
オンライン2社の併用ではだめですか
目的が違えば成立する。
たとえば、片方を日常会話、片方を仕事の場面に絞るという分け方だ。
ただし、矯正の役割はどちらかが明確に持つ必要がある。
併用すると上達は2倍になりますか
ならない。
増えるのは練習量であって、練習量と上達は比例しない部分がある。
量が効くのは、直す対象がはっきりしているときだけだ。
どのくらいの期間、併用を続けるべきですか
期間で決めるより、目的が達成されたかどうかで決める。
ただし最低3か月は続けないと、効いているかどうかの判断がつかない。
どのくらいの期間が必要かの考え方は英会話スクールに通う期間はどのくらい必要かにまとめてある。
家計的に2社はきついときはどうしますか
その場合はオンライン1社に寄せて、通学は無料体験や単発の枠を使う形にする。
無理に2社を維持するより、1社を切らさず続けるほうが結果は出る。
体験で何を見るかは英会話スクールの無料体験で見るべき12項目に一覧がある。
同じ教材を2社で使ってもいいですか
使えるなら、そのほうが予習の負荷は下がる。
ただし、独自教材が前提のスクールでは持ち込みができないことがある。
教材を1本にそろえられるかどうかは、併用の負荷を決める大きな分岐点になる。
可否は各社の公式サイトと契約書面で確認する。
まとめ|英会話の2社併用は役割と上限を先に決める
2社併用は、お金の話ではなく設計の話だ。
- 通学=直してもらう場、オンライン=量をこなす場と役割を分ける
- 週の回数は「軽い併用」から始め、上限を先に決める
- 費用は月額ではなく、初期費用を含めた総額を2社ぶん足す
- 予習が必要なのは片方だけという形にする
- 3か月後に見直す日をカレンダーへ入れておく
この5行を先に決めておけば、併用は崩れにくくなる。
崩れるのは、役割を決めずに料金だけを足したときだ。
そして、決まったらすぐ始めたほうがいい。
設計に1か月かけるより、軽い併用で1か月回したほうが、自分に合う形は速く見つかる。
スクール選びの全体像は英会話スクールの選び方にまとめてある。

コメント