英会話とTOEICは両立できるか|同時に進める場合の時間配分を決める

TOEICのスコアも上げたいし、英語も話せるようになりたい、という相談は多い。

どちらも英語なのだから、まとめてやれば一石二鳥になりそうに見える。

ところが両方へ同時に手を出すと、どちらも途中のまま半年が過ぎる、ということが起きる。

原因は意志の弱さではなく、2つが測っている力が違うところにある。

この記事では、英語サービスを長く見てきた立場で、英会話とTOEICの両立を時間配分の問題として整理し、週あたりの割り振りを決めるまでの手順を出す。

どちらが偉いか、という話はしない。

この記事の内容は2026-09-16時点の一般的な運用にもとづく。試験の形式や実施要項、スクールのコース内容は変わることがあるため、最終的な条件は各試験の運営団体および各社の公式サイトでご確認ください。

目次

【この記事を書いた人:高正熊生】オンライン英会話の受講&取材経験は合計50社以上・TOEIC920・英検準一級・VERSANT50・留学(大学/語学/ワーホリ)・外資系/海外勤務経験あり・海外在住歴12年・シャドテンアンバサダー(シャドーイング歴1年以上)X(旧Twitter)・YouTube・note

【結論】英会話とTOEICの両立は「期限が近いほうへ7割を寄せる」

先に結論を書く。

両立とは半分ずつ分けることではなく、期限が近いほうへ学習時間の7割を寄せ、残りの3割でもう一方を落とさないことだ。

同じ時間を5対5で分けると、どちらの側でも「変化が出る前の量」で止まりやすい。

学習は、一定の量を超えたところで初めて手応えが出る場面が多い。

その手前で分割すると、投じた時間の合計は同じでも、体感の成果はゼロに近くなる。

いまの状況寄せる先配分の目安
3か月以内にスコア提出の期限があるTOEICTOEIC 7:英会話 3
半年以内に英語での面談・海外赴任がある英会話英会話 7:TOEIC 3
どちらも期限なし英会話英会話 6:TOEIC 4
どちらも期限あり(同月)先に来るほう先 8:後 2 で、終わったら反転

この表で決まるのは優先順位だけで、やめる科目は1つもない。

3割のほうは「伸ばす」ためではなく「感覚を落とさない」ために置く。

この役割の違いをはっきりさせておくと、少ないほうの時間に罪悪感を持たずに済む。

英会話とTOEICの両立が難しいのは測っている力が違うから

TOEIC Listening & Reading は、名前のとおり聞く力と読む力を測る試験だ。

解答はマークシートで、口を開く場面はない。

一方で英会話が扱うのは、相手がいる場で自分の言葉を出す力だ。

入力(聞く・読む)と出力(話す)は、練習の形そのものが違う。

比べる軸TOEIC L&R英会話
測る力聞く・読む(入力)話す(出力)
評価のされ方点数(数字で出る)相手に伝わったかどうか
練習の形1人でできる相手が要ることが多い
成果が見える速さ受験日にまとめて分かるレッスンごとに少しずつ分かる
詰め込みの効き方直前の対策が効きやすい直前だけでは変わりにくい

この表の最後の行が、両立を難しくしている一番の理由だ。

TOEICは締め切り前に時間を集める価値があるが、英会話は集めても同じようには効かない。

つまり、TOEICは「寄せる側」、英会話は「切らさない側」に置くのが扱いやすい。

ただしこれは順番の話であって、英会話を後回しにしていい理由ではない。

英会話とTOEICで重なる部分と重ならない部分を分ける

両立の設計は、重なる部分を見つけるところから始める。

重なる部分は1回の練習で2つ分の効果が出るので、真っ先に厚くする。

重なる部分=語彙・リスニング・文の型

  • 基本語彙(ビジネスの場面で出る名詞・動詞は両方で使う)
  • リスニング(聞き取れない音は、話しても相手に届きにくい)
  • 文の型(主語+動詞の骨格を崩さずに言い切る力)
  • 数字・日付・固有名詞の聞き取り(試験でも会議でも同じ形で出る)

この4つは、どちらの目的で練習しても両方に効く。

両立に使える時間が少ない人ほど、まずこの4つに時間を集中させたほうがいい。

重ならない部分=発話・発音・解答スピード

  • 発話(頭の中の文を口から出すまでの速さ)=英会話にしか無い
  • 発音とイントネーション(通じ方に直結する)=英会話にしか無い
  • 沈黙をつながせない言い回し=英会話にしか無い
  • マークの解答スピードと時間配分=TOEICにしか無い
  • 設問パターンの見抜き方=TOEICにしか無い

重ならない部分は、それぞれ専用の時間を取らないと伸びにくい。

「英会話をやっていればTOEICも上がる」「TOEICをやれば話せる」は、この重ならない部分を無視した言い方になる。

どちらもゼロではないが、専用の練習の代わりにはならない。

重なる部分は共通の土台、重ならない部分は別々の屋根。土台は一緒に作れるが、屋根は2回ぶん架ける必要がある。

英会話とTOEICの両立で最初に決めるのは期限の順番

配分を決める前に、期限を紙に書き出す。

ここがあいまいなままだと、配分の議論はいくらやっても結論が出ない。

  1. スコアの提出期限を書く(昇進・異動・出願・社内制度のどれか)
  2. 英語で話す必要が出る日を書く(会議・面談・出張・接客)
  3. 2つの日付を見て、先に来るほうへ丸を付ける
  4. 丸を付けたほうへ7割、もう一方へ3割と書く
  5. 先の期限が終わる日を、配分を反転させる日として決める

この5行が終われば、両立の設計はほぼ終わっている。

期限が片方にしか無い場合は、期限があるほうへ寄せて迷わない。

期限が両方に無い場合は、英会話を主、TOEICを従に置くほうが続きやすい。

理由は、英会話のほうがレッスンという形で予定に入り、勝手に習慣化するからだ。

通う回数の決め方は英会話スクールに通う頻度は週何回が現実的かにまとめてある。

英会話とTOEICへ週あたりの時間を割り振る表

ここからは、実際に手を動かす時間の話にする。

週に確保できる合計時間を先に書き、そのうえで中を割る。

週の合計寄せる側(7割)切らさない側(3割)内訳の例
3時間2時間1時間平日20分×5+週末に残り
5時間3.5時間1.5時間平日40分×5+週末1時間
7時間5時間2時間平日1時間×5+週末2時間
10時間7時間3時間平日1.5時間×5+週末2.5時間

この表で重要なのは、合計を増やすところではない。

いま現実に取れている時間を正直に書くところだ。

週10時間と書いて週3時間しか取れない計画は、2週目で崩れる。

崩れた計画は、そのまま「自分には向いていない」という結論にすり替わりやすい。

先週の実績を1週間分だけ記録してから、その数字を上限として計画を書く。これだけで計画の寿命が伸びる。

3割のほうに何を入れるか

3割の時間は、伸ばすためではなく落とさないために使う。

英会話が3割の側なら、週1回のレッスンだけを死守して自習はゼロでいい。

TOEICが3割の側なら、公式形式の問題を週1セットだけ解いて形式を忘れないようにする。

3割の側で新しい教材を増やすと、7割の側の時間を必ず削ることになる。

英会話とTOEICの両立に使える3つの型

配分の入れ方には、大きく3つの型がある。

どれが正解というより、生活のリズムに合うものを選ぶ。

型やり方向いている人弱点
寄せ型3か月はTOEIC、次の3か月は英会話と期間で切る期限がはっきりしている人休んだ側の感覚が鈍る
交互型曜日で分ける(月水金はTOEIC、火木は英会話)平日に一定の時間が取れる人切り替えの手間が毎回かかる
並行型1回の学習を前半TOEIC・後半英会話に割るまとまった時間が取れる人1回が長くなり続きにくい

迷ったら交互型から始めるのが扱いやすい。

曜日で決めてしまえば、その日に何をやるかを毎回考えずに済む。

考える回数が減るほど、学習は続きやすくなる。

寄せ型を選ぶ場合は、休む側のレッスンを完全にゼロにせず、月1回だけ残しておく。

月1回でも口を開く日があると、再開したときの戻りが早いことが多い。

英会話とTOEICの両立でやりがちな失敗5つ

相談を受けていて繰り返し出てくる形が5つある。

①教材を両方で増やす

両立を決めた日に、参考書とアプリを同時に買い足す人は多い。

教材の数は増やした瞬間から、1冊あたりの回転数を下げる。

両立でやることは、教材を増やすことではなく時間を割ることだ。

②TOEICの点で会話力を測る

スコアが上がったのに話せるようにならない、という悩みはよく出る。

L&Rは話す力を測る設計になっていないので、当然といえば当然だ。

会話力を測りたいなら、話す場面を使って測るしかない。

③英会話のレッスンをTOEIC対策に使う

レッスン中に問題の解説を頼むと、その時間だけ発話量が落ちる。

解説は自習でも読めるが、発話の機会は自習では作りにくい。

限られた対人の時間は、1人でできないことに使うのが基本になる。

④直前期にも半々のまま進める

試験の2週間前は、形式への慣れが効きやすい時期にあたる。

ここで配分を動かさないのは、せっかくの伸びしろを捨てる動きになる。

直前2週間だけは9対1まで寄せ、終わったその週に戻す。

⑤やめる基準を決めずに始める

両立は負荷が高いので、いつ片方を止めるかを先に決めておく。

基準が無いと、苦しくなった週に両方まとめて止まる。

2週続けて計画の半分も消化できなかったら、3割の側を一時停止する。

停止は失敗ではない。両方を抱えたまま全部止まるほうが、取り返しに時間がかかる。

英会話とTOEICの両立が成立しているかを測る採点表

両立がうまくいっているかどうかは、感覚ではなく項目で見る。

以下の6項目に各1点を付け、月末に合計する。

項目1点が付く条件
配分を守れたか7対3の枠から大きく外れた週が1回以下
レッスンの出席予定した回数の8割以上に出た
形式への接触試験形式の問題に月1回以上触れた
発話の機会月1回以上、相手のいる場で英語を話した
語彙の回転同じ単語帳の範囲を2周以上した
記録の有無学習時間を記録した日が半分以上

合計5点以上なら、その配分を変えずに続ける。

3点から4点なら、合計時間ではなく配分の比率だけを動かす。

2点以下なら、いったん片方に絞って土台を作り直す。

この採点表の狙いは、良し悪しの判定ではなく、次の1か月の打ち手を1つに決めることにある。

英会話とTOEICの両立にかかる費用を試算する

両立は時間だけでなく、お金の配分でもある。

ここでは特定のスクールの金額ではなく、自分で置いた仮の数字で計算の形だけを示す。

項目仮に置く金額(税込)発生の周期
英会話のレッスン12,000円毎月
TOEICの教材3,000円3か月に1回
受験料8,000円受験のたび
6か月の合計86,000円ー

この表の金額はすべて、計算の形を見せるために私が仮に置いた数字だ。

実際の金額は、必ず各社および試験の運営団体の公式ページで確認する。

大事なのは、毎月かかるものと、たまにかかるものを別の行に置くところにある。

周期が違うものを1行に混ぜると、半年後の合計が見えなくなる。

料金の見方そのものは英会話スクールの料金の見方で詳しく書いた。

英会話とTOEICの両立を3か月ごとに見直す手順

配分は一度決めて終わりにしない。

期限も生活も動くので、3か月ごとに同じ手順で引き直す。

  1. この3か月で実際に取れた週あたりの時間を平均する
  2. 採点表の合計点を3か月分並べる
  3. 期限が動いていないかを確認する(前倒し・延期の両方)
  4. 寄せる先を決め直す(変わらないならそのまま)
  5. 次の3か月の週あたり時間を、実績の平均以下で書く
  6. やめる基準を1行だけ書き直す

この6手順は15分あれば終わる。

見直しをしない計画は、期限が過ぎたあとも同じ配分のまま走り続ける。

試験が終わったのにTOEIC寄りのままだった、という取りこぼしはとても多い。

どのくらいの期間で考えればいいかは英会話スクールに通う期間はどのくらい必要かも合わせて見るといい。

英会話とTOEICの両立に向く1日の組み方

週の配分が決まったら、次は1日の中のどこに置くかを決める。

同じ30分でも、置く時間帯によって消化率が変わることが多い。

時間帯向く中身理由
朝(出勤前)読む・解く(TOEIC側)邪魔が入らず、時間を計りやすい
通勤中聞く(両方に効く)手も目も使わずに続けられる
昼休み語彙の回転細切れでも成立する
夜(帰宅後)話す(英会話側)レッスンの枠が取りやすい
就寝前その日の言えなかった表現を1つ書く短く終わり、翌日に渡せる

この表のうち、埋められるのは2つか3つで十分だ。

5つ全部を埋めようとすると、1日目で疲れて2日目に何もやらなくなる。

両立で先に潰れるのは、いつも欲張った側の予定だ。

聞く時間を両方の共通枠として固定する

通勤や移動の時間は、英会話とTOEICの重なる部分にちょうど当てはまる。

ここを共通枠として固定してしまえば、7対3の配分から外して計算できる。

共通枠を先に確保しておくと、残りの時間の取り合いが小さくなる。

聞く素材は、試験形式のものと会話形式のものを週ごとに入れ替えると飽きにくい。

共通枠は「増やす時間」ではなく「もともと空いている時間に乗せる」もの。新しく作らないのがこの枠の価値になる。

英会話とTOEICの両立をいったん止めたほうがいい場合

両立が向かない時期は確実にある。

その時期に無理を通すと、英語そのものから離れることになりやすい。

  • 週に取れる時間が合計2時間を切っている
  • 期限が1か月以内に迫っていて、点数の提出が必須になっている
  • 直近2か月で、レッスンの欠席が半分を超えている
  • 仕事や家庭の事情で、平日の予定が毎週変わる
  • 基本的な文の型がまだ固まっていない自覚がある

このどれかに当てはまるなら、片方に絞ってから戻ったほうが早い。

絞るのは撤退ではなく、両立を成立させるための準備期間だ。

とくに最後の項目は、両立よりも土台づくりを優先したほうが結果につながることが多い。

文の型が固まっていない段階では、どちらの練習も同じところで詰まるからだ。

絞ると決めたら、止めた側の再開日をカレンダーに先に入れておく。

再開日が無い一時停止は、そのまま終了になりやすい。

スクールを続けるか休むかで迷う場合は休会制度の使い方も確認しておくといい。

英会話とTOEICの両立についてよくある質問

両立すると、どちらも遅くなるのですか

時間を分ける以上、片方だけに集中した場合より各科目の進み方は緩やかになる。

ただし、重なる部分(語彙とリスニング)があるため、単純に半分になるわけではない。

どれだけ遅くなるかは人と教材で変わるので、数字で言い切れることではない。

英会話のレッスンだけでスコアは上がりますか

語彙とリスニングが伸びれば、影響がまったく無いとは言えない。

一方で、解答の時間配分や設問の型への慣れは、レッスンでは扱わないことが多い。

スコアを目的にするなら、形式の練習は別枠で置いたほうが読みやすい。

TOEIC対策コースのある英会話スクールを選べば両立できますか

1か所で完結する利点はある。

ただし、同じ枠の中で両方をやると、結局そのレッスン内で時間の取り合いが起きる。

コースの中で、話す時間と対策の時間がどう分かれているかを体験のときに聞いておく。

聞き方は英会話スクールの無料体験で見るべき12項目にまとめてある。

どちらを先にやるべきですか

期限があるほうを先にする、が基本になる。

どちらにも期限が無いなら、英会話を先に置くと予定に入りやすい。

先に置くのは「好きなほう」ではなく「予定として動かしにくいほう」にする。

自分のレベルが分からないまま始めてもいいですか

始めてよい。

ただし、開始前の位置を1回だけ記録しておくと、3か月後の見直しが楽になる。

国際的な段階の見方はCEFRの読み方で説明した。

スピーキングの試験も一緒に受けたほうがいいですか

話す力を数字で残したいなら、選択肢に入る。

ただし試験が3つに増えると、両立ではなく三立になり、配分はさらに割れる。

増やすときは、いま走っているどれかを1つ止めてから足す。

まとめ|英会話とTOEICの両立は時間の配分を先に決める

両立は、気合いではなく配分の設計で決まる。

  1. スコアの期限と、英語で話す必要が出る日を紙に書く
  2. 先に来るほうへ7割、もう一方へ3割と決める
  3. 週の合計時間は、先週の実績以下で書く
  4. 3割の側は「落とさない」ことだけを目的にする
  5. 試験の直前2週間だけ9対1へ寄せ、終わった週に戻す
  6. 3か月ごとに採点表で見直し、寄せる先を引き直す

この6手順は、どの教材を使っていても同じ形で当てはめられる。

教材の良し悪しよりも、配分が決まっているかどうかのほうが結果に効くことが多い。

そして配分が決まったら、あとは今週から動かすだけだ。

どちらを先にやるか悩んでいる時間は、両方とも1分も進んでいない時間でもある。

紙に期限を2つ書くところまでなら、5分で終わる。

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