
特定商取引法に基づく表記は、ネットで申し込むサービスのページの下のほうに置かれている、販売条件の一覧だ。
オンライン英会話に申し込むときも、公式サイトの中でこの表記を探して読むことになる。
ただ、どの行を見れば自分の契約にかかわるのかは、読み慣れていないと分かりにくい。
この記事では、英語サービスを55社以上見てきた立場から、特定商取引法の第11条と消費者庁の案内を読み、表記の見方を整理する。
料金・支払い・解約・連絡先の4つが、申し込む前に読む行になる。
先に結論を示し、そのあとで項目・省略・最終確認画面の順に進める。
個別の契約の扱いは各事業者・各窓口にご確認ください。
【結論】特定商取引法に基づく表記は申し込む前に読む販売条件の一覧
申し込む前に4つの行を読む
特定商取引法第11条は、通信販売で販売条件や役務の提供条件を広告するときに、決まった事項を表示しなければならないとしている。
その表示をまとめたページが、一般に特定商取引法に基づく表記と呼ばれている。
| 読む行 | 見る点 |
|---|---|
| 価格 | 役務の対価と、税込か税抜か |
| 支払い | 支払の時期と方法 |
| 解約 | 申込みの撤回や解除に関する事項 |
| 連絡先 | 事業者の氏名(名称)・住所・電話番号 |
申し込みボタンを押す前に、この4つの行だけは自分の目で読む。
ほかの行は、自分の申し込み方に関係があるときに読めば足りる。
特定商取引法に基づく表記が求められる根拠
表記の中身は、事業者が好きに決めているわけではない。
第11条は、販売業者又は役務提供事業者が通信販売をする場合の販売条件や役務の提供条件について広告をするときに、次の事項を表示しなければならないとしている。
- 商品や権利の販売価格、又は役務の対価
- 代金や対価の支払の時期及び方法
- 商品の引渡時期、権利の移転時期、又は役務の提供時期
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 申込みの撤回又は解除に関する事項
このほかの事項は、主務省令で定めるとされている。
レッスンのような役務も、条文では「役務の提供条件」として表示の対象に入っている。
オンライン英会話のようにネットで申し込むサービスは、この条文に当てはめて読むことになる。
特定商取引法に基づく表記で見る項目の一覧
消費者庁の特定商取引法ガイドは、通信販売の広告の表示事項を表にまとめている。
| 表示事項 | オンライン英会話で見る点 |
|---|---|
| 販売価格・送料その他消費者の負担する金額 | 月額料金と、ほかにかかるお金 |
| 代金等の支払時期・支払方法 | 前払いか、カードか口座振替か |
| 商品の引渡時期等 | レッスンをいつから受けられるか |
| 申込みの撤回又は解除に関する事項 | 解約の手順と期限 |
| 販売業者の氏名(名称)、住所、電話番号 | 問い合わせる先 |
| 契約を2回以上継続して締結する場合の販売条件 | 月ごとの自動更新の条件 |
| ソフトウェアを使用するための動作環境 | アプリやパソコンの対応環境 |
月額制のサービスは「2回以上継続して締結する場合」の行に、更新の条件が書かれていることが多い。
料金は、表示が税込か税抜かもあわせて確かめておく。
ガイドの表には、ほかに販売数量の制限や、請求で渡す書面が有料のときの価格も並んでいる。
特定商取引法に基づく表記で省略できない項目
表示事項の中には、条件をそろえれば省略できるものと、省略できないものがある。
消費者庁のガイドは、消費者からの請求で書面などを遅滞なく渡す旨を広告に表示していれば、一部を省略できるとしている。
返品と継続の条件は省略不可
| 表示事項 | 省略 |
|---|---|
| 申込みの期間に関する定め | 省略できない |
| 返品に関する事項 | 省略できない |
| ソフトウェアを使用するための動作環境 | 省略できない |
| 契約を2回以上継続して締結する場合の販売条件 | 省略できない |
| 販売数量の制限等特別の販売条件 | 省略できない |
自動更新の条件がどこにも見当たらないときは、申し込む前に問い合わせて確かめる。
代金を前払いする場合の支払時期も、価格を全部表示しないときは省略できないとされている。
特定商取引法に基づく表記が省略されているときの請求
住所や電話番号が書かれておらず、請求すれば知らせると書かれていることがある。
第11条のただし書は、請求により事項を記載した書面を遅滞なく交付し、又は電磁的記録を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、一部を表示しないことができるとしている。
インターネット通信販売では、書面の代わりに電子メールでもよいとされている。
遅滞なく=申し込む前に
消費者庁のガイドは、遅滞なくを、申込みの意思決定に先立って十分な時間的余裕をもって提供されることと説明している。
請求して返事が来るまでは、申し込みを急がずに待ってよい。
請求したメールと返事は、あとで見返せるように残しておく。
特定商取引法に基づく表記と最終確認画面
表記のページとは別に、申し込みの最後の画面にも表示のルールがある。
第12条の6は、インターネットの通信販売で申込みを受ける場面について、決まった事項の表示を求めている。
- 販売価格又は役務の対価
- 代金又は対価の支払時期と方法
- 商品の引渡時期、又は役務の提供時期
- 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
- 申込みの撤回又は解除に関する事項
第15条の4は、この表示に違反した不実の表示や表示をしない行為で誤認して申し込んだときに、その申込みの意思表示を取り消せるとしている。
表記のページと最終確認画面で、料金や解約の条件が食い違っていないかを並べて見る。
申し込みの最後の画面の見方は最終確認画面の見方にまとめている。↓

特定商取引法に基づく表記と誇大広告の禁止
表記に書かれた条件と、広告の宣伝文句が合っているかも見ておきたい。
第12条は、通信販売の広告で、著しく事実に相違する表示や、実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示を禁じている。
対象には、申込みの撤回又は解除に関する事項も含まれている。
広告で「いつでも解約できる」とあれば、表記の解約の行に同じことが書かれているかを確かめる。
広告の言葉の確かめ方は誇大広告の見分け方にまとめている。↓

特定商取引法に基づく表記を読む順番
項目が多いので、先に読む順番を決めておく。
| 順番 | 読む行 | 見る点 |
|---|---|---|
| 1 | 事業者の名称・住所・電話番号 | 連絡のつく先が書かれているか |
| 2 | 価格 | 月額と、ほかにかかるお金 |
| 3 | 支払時期と方法 | いつ・どの方法で払うか |
| 4 | 2回以上継続する場合の条件 | 自動更新の有無と止め方 |
| 5 | 申込みの撤回又は解除 | 解約の手順と期限 |
この5つを読んでから申し込めば、契約のあとで困る場面は減る。
読んだページは、申し込んだ日の分をスクリーンショットで残しておく。
規約のほうの読み方は利用規約の読み方と確認手順にまとめている。↓

特定商取引法に基づく表記についてのよくある質問
Q. どこに書かれていますか
- A. 公式サイトの中で、特定商取引法に基づく表記という名前のページを探す。
Q. 住所や電話番号が書かれていません
- A. 請求すれば書面や電子メールで遅滞なく知らせる旨の表示があれば、一部を省略できる。
Q. 自動更新の条件はどこを見ればよいですか
- A. 契約を2回以上継続して締結する場合の販売条件の行を見る。
Q. 最終確認画面と何が違いますか
- A. 表記は広告の表示で、最終確認画面は申込みの場面の表示として、別の条文で定められている。
Q. 表示がおかしいと思ったらどうしますか
- A. 消費者庁の特定商取引法ガイドには、申出制度と法違反被疑情報の提供フォームの案内がある。
まとめ|特定商取引法に基づく表記は4つの行から読む
覚えておくことは3つにまとまる。
- 表記は、特定商取引法第11条が求める通信販売の広告の表示
- 返品や2回以上継続する場合の条件は省略できない
- 最終確認画面にも、別の条文で表示のルールがある
申し込む前は、価格・支払い・解約・連絡先の4つの行を先に読む。
表記と最終確認画面を並べる
食い違いがあれば、申し込む前に問い合わせて確かめる。
申し込んだ日の表記を保存しておくことが、あとで自分を守る材料になる。
\申し込む前の10項目/
契約条件を先に読む物差し
先に基準を決めてから申し込む
参考文献
- 特定商取引に関する法律(e-Gov法令検索・デジタル庁)
- 通信販売|特定商取引法ガイド(消費者庁)
あわせて読みたい
8日以内の解除の手順はクーリングオフのやり方にまとめている。↓

解約と返金の条項の読み方は英会話スクールの解約と返金にまとめている。↓



コメント