
返品特約は、通信販売で買った商品を返せるかどうかについて、事業者が広告に示す取り決めを指す。
英語の教材やテキストをネットで買ったあと、思っていた内容と違って返したくなることがある。
そのとき返せるかどうかは、まず返品特約の書き方で決まる。
この記事では、英語サービスを55社以上見てきた立場から、特定商取引法の第15条の3と消費者庁の案内を読み、返品の考え方を整理する。
特約が無ければ、届いた日から8日以内は返せる。
先に結論を示し、そのあとで特約・送料・表示の場所の順に進める。
個別の契約の扱いは各事業者・各窓口にご確認ください。
【結論】返品特約が無ければ8日以内は返品できる
特約が無ければ8日以内
特定商取引法第15条の3第1項は、通信販売で買った商品の引渡しを受けた日から起算して8日を経過するまでの間は、申込みの撤回や契約の解除ができるとしている。
ただし、事業者が広告で返品特約を表示していた場合は、その特約によるとされている。
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| 広告に返品特約の表示が無い | 引渡しから8日以内なら撤回や解除ができる |
| 広告に返品特約の表示がある | 特約の内容による |
| 返品の送料 | 購入者の負担 |
教材を注文する前に、広告に返品特約が書かれているかを先に探す。
返せるかどうかは、届いてからではなく注文の前に決まっていることになる。
返品特約が使われる条文の範囲
第15条の3は、どんな契約にでも当てはまるわけではない。
条文は、通信販売をする場合の商品又は特定権利の販売条件について広告をした販売業者との売買契約を対象にしている。
- ネットで注文した英語の教材やテキスト
- ネットで注文した学習用の機器
- 条文で決められた特定権利
役務の提供は条文に無い
第15条の3の条文には、レッスンのような役務の提供契約は書かれていない。
オンライン英会話のレッスンの解約は、返品とは別に、利用規約や解約の条項で確かめる。
また、第15条の3は、訪問販売などのクーリング・オフとは別の条文になる。
ダウンロードで受け取るデジタル教材の扱いは、販売ページの返品の条件を先に確かめておくと迷わない。
返品特約がある場合の読み方
広告に返品特約があれば、8日の決まりより特約が優先する。
消費者庁の特定商取引法ガイドは、返品特約の内容として、返品の可否、返品の期間等条件、返品に係る費用負担の有無を挙げている。
| 特約で見る点 | 確かめること |
|---|---|
| 返品の可否 | そもそも返品を受け付けるか |
| 返品の期間等条件 | 何日以内か、未開封に限るか |
| 返品に係る費用負担の有無 | 送料をどちらが払うか |
「返品不可」と書かれていれば、その教材は届いたあとに返せないものとして注文を考える。
期間の条件があるときは、届いた日をメモしておくと数え違いを防げる。
たとえば特約に「到着後7日以内・未開封に限る」とあれば、その条件を満たす間だけ返せることになる。
返品特約は広告で省略できない
広告の表示事項には、省略できるものとできないものがある。
消費者庁のガイドの表では、返品に関する事項(返品の可否・返品の期間等条件、返品の送料負担の有無)は省略できないとされている。
第11条第5号も、申込みの撤回又は解除に関する事項に、第15条の3第1項ただし書の特約がある場合はその内容を含むとしている。
返品の条件は必ず広告に載る
第12条は、特約がある場合はその内容も含めて、撤回や解除に関する事項で著しく事実に相違する表示や、著しく有利であると誤認させる表示を禁じている。
広告や商品ページに返品の条件が見当たらないときは、注文の前に問い合わせる。
問い合わせた内容と返事は、メールで残しておく。
返品の条件は、注文の前に読めるところに書かれているはずなので、見つからないこと自体を注文を見送る理由にしてよい。
返品特約と最終確認画面の表示
ネットで注文するときは、注文の最後の画面も見ておきたい。
第15条の3第1項のただし書は、電子消費者契約に当たる場合などは、広告に表示し、かつ、広告以外の主務省令で定める方法でも表示していた場合に限って、特約によるとしている。
消費者庁のガイドは、インターネット通販の場合には最終確認画面においても表示することを定めていると説明している。
商品ページと最終確認画面の両方に、同じ返品の条件が書かれているかを並べて見る。
最終確認画面の表示に違反した不実の表示で誤認して申し込んだときは、第15条の4で申込みの意思表示を取り消せる場合がある。
注文の最後の画面の見方は最終確認画面の見方にまとめている。↓

返品特約が無いときの送料と手順
特約が無く、8日以内に返すと決めたときの流れを押さえておく。
第15条の3第2項は、商品の引渡しが既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は購入者の負担とするとしている。
- 届いた日を確かめる
- 8日を経過する前に、販売業者へ撤回や解除の意思を伝える
- 送料は自分で負担して商品を返す
撤回や解除の意思は、メールなど記録の残る方法で伝える。
8日は引渡しを受けた日から起算するので、届いた日を1日目として数える。
事業者は、撤回や解除に伴う代金の返還などを拒んだり遅らせたりすることを禁じられていると、消費者庁のガイドは説明している。
返品特約と教材の関連商品の違い
英会話スクールの契約と一緒に買った教材は、扱いが変わることがある。
スクールの契約と一緒に買う教材は、特定継続的役務提供の関連商品として、別の条文で扱われる場合がある。
ネットの通信販売で教材だけを買った場合が、この記事で読んでいる返品特約の場面になる。
教材をどの契約で買ったのかを、領収書や注文の控えで先に確かめる。
スクールの契約と一緒に買った教材は関連商品の解約のしかたにまとめている。↓

返品特約を注文の前に確かめる順番
教材を注文する前に、見る順番を決めておく。
| 順番 | 見る場所 | 見る点 |
|---|---|---|
| 1 | 商品ページ | 返品特約の表示があるか |
| 2 | 特定商取引法に基づく表記 | 返品の可否・期間・送料 |
| 3 | 最終確認画面 | 商品ページと同じ条件か |
| 4 | 注文確認のメール | 届いた日と条件の控え |
この4か所を見てから注文すれば、届いたあとで迷う場面は減る。
価格は、表示が税込か税抜かもあわせて確かめておく。
規約の読み方は利用規約の読み方と確認手順にまとめている。↓

返品特約についてのよくある質問
Q. 返品特約が無ければ必ず返せますか
- A. 通信販売の商品なら、引渡しを受けた日から起算して8日を経過するまでは、撤回や解除ができる。
Q. 返品の送料は誰が払いますか
- A. 特約で決まっていなければ、引取り又は返還に要する費用は購入者の負担になる。
Q. 「返品不可」と書かれていたら返せませんか
- A. 広告に特約が表示されていれば、その特約による。
Q. オンライン英会話のレッスンも返品の対象ですか
- A. 第15条の3の条文は商品と特定権利の売買契約を対象にしており、レッスンの解約は利用規約で確かめる。
Q. どこに書かれていますか
- A. 広告に表示が求められており、ネットの注文では最終確認画面にも表示することが定められている。
Q. 8日はいつから数えますか
- A. 商品の引渡しを受けた日から起算するので、届いた日が1日目になる。
Q. 開封したら返せませんか
- A. 未開封に限るなどの条件は、特約の返品の期間等条件に書かれているかで決まるので、特約を読む。
まとめ|返品特約は注文の前に読む
覚えておくことは3つにまとまる。
- 特約が無ければ、引渡しから8日以内は撤回や解除ができる
- 特約があれば、その内容による
- 返品の送料は、特約が無ければ購入者の負担
教材は、商品ページ・表記・最終確認画面の順に返品の条件を読む。
届いた日をメモに残す
8日の数え方で迷わないように、届いた日を先に控えておく。
注文の画面と確認のメールを保存しておくことが、あとで自分を守る材料になる。
\教材を選ぶ前の物差し/
英語サービス55社を見て作った10の基準
契約の条件も採点項目に入れる
参考文献
- 特定商取引に関する法律(e-Gov法令検索・デジタル庁)
- 通信販売|特定商取引法ガイド(消費者庁)
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教材の種類の選び方は市販教材とオリジナル教材の違いにまとめている。↓

訪問販売などで使える解除の手順はクーリングオフのやり方にまとめている。↓



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