少額訴訟の手順|英会話スクールの返金を60万円以下で請求する流れ

少額訴訟の手順|英会話スクールの返金を60万円以下で請求する流れ

少額訴訟は、60万円以下のお金の支払を求めるときに使える、簡易裁判所の手続だ。

英会話スクールに返金を求めても動いてくれないとき、話し合いの次の段として名前が挙がる。

ただ、通常の裁判とは決まりがかなり違う。

この記事では、英語サービスを55社以上見てきた立場から、裁判所の案内をもとに流れを整理する。

原則1回の審理で決着をつけるので、準備は最初の期日までに終わらせる。

先に結論を示し、そのあとで条件・書類・審理・判決後の順に進める。

個別の契約の扱いは各事業者・各窓口にご確認ください。

目次
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この記事を書いた人

高正熊生

  • オンライン英会話の受講&取材経験は合計50社以上
  • TOEIC920
  • 英検準一級
  • VERSANT50
  • 留学(大学/語学/ワーホリ)
  • 外資系/海外勤務経験あり
  • 海外在住歴12年
  • シャドテンアンバサダー(シャドーイング歴1年以上)

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【結論】少額訴訟は60万円以下の返金を1回の審理で求める手続

対象は60万円以下の金銭の支払

裁判所の案内では、民事訴訟のうち60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争解決を図る手続とされている。

返金の額がこの線に収まるなら、通常の訴訟より短い道になる。

比べる点少額訴訟通常の訴訟
求められるもの60万円以下の金銭の支払金額の制限なし
審理の回数原則1回複数回になることが多い
判決への不服異議の申立てのみ控訴できる
少額訴訟と通常の訴訟の違い(裁判所「少額訴訟」)

どちらを選ぶかは、請求額と証拠のそろい具合で決まる。

証拠が手元で完結しているほど、少額訴訟の形に向いている。

少額訴訟が英会話スクールの返金で候補になる場面

英会話スクールとの争いの多くは、お金をいくら返すかの話になる。

場面請求の中身
中途解約の精算額が合わない法律の上限を超えて差し引かれた分
クーリングオフ後に返金が無い支払った全額
受けていないレッスン分が返らない未消化分の代金
返金の請求が出てくる場面

どの場面でも、いくら払い、いくら返るべきかを数字で示せることが前提になる。

請求額を計算できないうちは、手続より先に精算の確認が要る。

返ってくる額の出し方は中途解約したときの精算にまとめている。↓

少額訴訟の申立先と申立ての方法

訴えを起こすときは、裁判所に訴状を出す。

少額訴訟は、原則として相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に起こす。

金銭の請求なら、支払をすべき場所の簡易裁判所にも起こせるとされている。

方法中身
書面による申立て紙の訴状を管轄の裁判所に出す
電子申立て民事裁判書類電子提出システム(mints)を使う
申立ての2つの方法(裁判所「少額訴訟」)

mintsでは事件種別を少額訴訟に

mintsで出すときは、申立てフォームの事件種別で少額訴訟を選ぶ。

mintsを使うには、先にアカウント登録が必要になる。

どの簡易裁判所が申立先かは、裁判所の申立書提出先一覧で調べられる。

少額訴訟にかかる費用

申立てには、裁判所に申立手数料を納める。

金額は、裁判所の手数料早見表で請求額ごとに確かめる。

従来は別に必要だった郵便費用は、申立手数料に一本化された。

申立手数料は、原則としてペイジーで電子納付する。

ペイジーなら、インターネットバンキングや金融機関のATMから払える。

請求する返金の額は、払った額を税込で数えた合計にすると、領収書の数字と食い違わない。

費用を払う資力が乏しい人のために、訴訟上の救助という支払を猶予する制度もある。

裁判所の案内では、法テラスの民事法律扶助による立替制度も紹介されている。

少額訴訟で用意する書類と証拠

書類は、訴状と証拠の写しが中心になる。

  • 訴状(mintsなら申立てフォームで作れる)
  • 当事者が法人の場合などは各種資格証明書
  • 証拠となる文書の写しで重要なもの

英会話スクールが相手なら、相手は法人であることが多い。

その場合は、資格証明書が要る場面に当たる。

証拠は審理の日に調べられるものだけ

証拠書類や証人は、審理の日にその場ですぐに調べることができるものに限られる。

契約書面・領収書・解約を伝えた記録は、日付順にそろえておく。

契約を解除するときの記録の残し方はクーリングオフのやり方にまとめている。↓

少額訴訟の審理の進み方

原則1回の審理で決着を目指すのが、この手続の形だ。

そのため、原告は最初の期日までに、すべての言い分と証拠を裁判所に出すことになる。

当日になって書類を取りに戻ることはできないので、持ち物は前日までに一式そろえておくのが安全だ。

相手のスクールの担当者の話を聞きたいなら、その人に当日来てもらう段取りまで考えておくことになる。

審理の途中で、話し合いで解決することもできる。

これを和解といい、通常の訴訟と同じく選べる道だ。

順番やること
1訴状を出す
2最初の期日までに言い分と証拠をすべて出す
3期日に審理を受ける
4判決または和解で終わる
審理の流れ

2回目があると思わずに、1回で言い切る準備をする。

少額訴訟の判決で出ることがある分割払い

言い分が認められても、全額をすぐ受け取れるとは限らない。

少額訴訟では、分割払、支払猶予、遅延損害金免除の判決がされることがある。

この分割や猶予は、判決言渡しの日から3年を超えない範囲内とされている。

分割の定めには不服を言えない

判決に伴う分割払や支払猶予の定めには、不服申立てができない。

判決書や和解調書をもとに、強制執行を申し立てることができる。

判決をした簡易裁判所でも、給料や預金への少額訴訟債権執行を申し立てられる。

少額訴訟を使う前に知っておく制限

手軽に見えても、いくつかの制限がある。

制限中身
利用回数1人につき同じ裁判所に年間10回まで
通常訴訟への移行被告の申立てや裁判所の判断で移ることがある
不服申立て異議の申立てに限られ、控訴はできない
知っておく制限(裁判所「少額訴訟」)

相手のスクールが通常訴訟への移行を申し立てれば、そちらの手続になる。

争いが複雑な場合も、裁判所の判断で通常訴訟に移ることがある。

移行もありうると知ったうえで、証拠を厚めに用意しておく。

少額訴訟の判決に納得できないとき

判決への不服の出し方も、通常の訴訟とは違う。

判決を受け取った日の翌日から2週間以内に異議を申し立てなければ、判決は確定する。

異議があると、同じ簡易裁判所で通常の手続により審理される。

その異議訴訟の判決には、控訴が禁止されている。

異議の期限は2週間なので、判決を受け取った日をメモしておく。

裁判の前に、話し合いで解決する道を試しておくのもひとつの順番だ。

話し合いでの解決の段は国民生活センターのADRの使い方にまとめている。↓

少額訴訟の前に済ませておく3つの段

いきなり訴状を書くより、手前の段を踏んだほうが話は早い。

段やること残るもの
1スクールへ書面で返金を求める通知の控えと日付
2消費生活センターに相談する相談した日と助言の中身
3請求額を計算して根拠をそろえる契約書面・領収書・計算メモ
訴えの前に踏む段

1つ目の段で返金されれば、裁判所まで行く必要はなくなる。

返事が無いまま期日が過ぎても、その経過がそのまま証拠の一部になる。

手前の段で作った記録は、最初の期日に出す証拠の束にそのまま入る。

相談先で計算の誤りに気づくこともあるので、請求額は相談のあとで固めるとよい。

費用の面で迷うときは、法テラスの無料法律相談の条件も確かめておく。

少額訴訟についてのよくある質問

Q. いくらまで請求できますか

  • A. 60万円以下の金銭の支払を求める訴えが対象になる。

Q. 審理は何回ありますか

  • A. 原則として1回の審理で紛争解決を図る手続とされている。

Q. どこの裁判所に出しますか

  • A. 原則として相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に起こす。

Q. 判決に不服なら控訴できますか

  • A. 控訴はできず、不服申立ては異議の申立てに限られる。

Q. 何回でも使えますか

  • A. 1人につき同じ裁判所に年間10回までと制限されている。

まとめ|少額訴訟は証拠をそろえてから1回で臨む

覚えておくことは3つにまとまる。

  • 対象は60万円以下の金銭の支払
  • 言い分と証拠は最初の期日までにすべて出す
  • 判決への不服は2週間以内の異議だけ

請求額と証拠がそろっていれば、短い道で決着をつけられる。

準備は最初の期日までに

証拠が足りないうちは、通知と相談の段で記録を積み上げる。

日付の並んだ記録が、どの手続でもいちばん強い材料になる。

\契約の前に読む物差し/

英語サービス55社を見て作った10の基準

解約と返金の条件も採点項目に入れる

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参考文献

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返金の上限額の出し方は英会話スクールの解約と返金にまとめている。↓

相談の入口は消費者ホットライン188の使い方にまとめている。↓

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